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2007年12月16日 (日)

イメージスキャナの解像度 その3

その2にて

「もし、レンズの光伝達率が同じであると仮定した場合」

と記述したが、実際には異なる。

代表値で

縮小光学系 1%

等倍光学系(密着光学系) 3.16% (SLA-20D)

である。約3倍異なる。

光伝達効率とは、被写体側の照度とセンサ面の照度の比率である。

つまり、被写体側で例えば、1万ルックス(10,000LUX)で照明できていたとしても、縮小光学系のレンズを介してCCD面にたどり着く光で照らされるCCD面上の照度は、100LUX程度となる。

.

計算式は次の通り

縮小光学系:

伝達効率(η)=τ/{4*F^2*(1+β)^2}

τ:レンズ透過率 (1で仮定)

F:口径比 (一眼レフデジカメのレンズのF値のこと)、ここでは、4で仮定。

β:倍率 縮小なので、<1となり、1/4であれば、0.25。

(補足資料参照)

.

GRINレンズアレーを使った等倍光学系:

伝達効率(η)=τ/(16*F^2)

等倍光学系が明るい理由は次の2つ。

(1)被写体からレンズを見込む角度が広い。

レンズを被写体の至近距離に配置していることによる。

(2)複数レンズ列のお隣レンズの結像が寄与する。

重なり度と呼び、SLA-20D(1列SLA)にて 1.74である。

以上まとめると、

縮小光学系に対して密着光学系(GRINレンズアレーを用いた等倍光学系)を利用したイメージスキャナの、消費電力が少ない理由は次の通りである。

(1)光学基本解像度に該当するセンサ側の画素のサイズが大きい。(約16倍)

(2)被写体~レンズ見込み立体角度が広い(約2倍)

(3)レンズアレー構造によりお隣のレンズの結像が光量アップに寄与する。(約1.7倍)

以上より、縮小光学系に対して、光源パワーが1/50以下で良い計算となる。

例えば、2Wの光源を必要とする縮小光学系のイメージスキャナに対して、密着光学系では、0.4Wで良い。そのため、3V、15mA程度のLEDをたった1ケ光らせるだけで光量が足りる。

【補足資料】

1999年 日本画像学会講演資料の6頁目

5.2階調性 参照。

http://www.imeasure.co.jp/pdf/NihonGazouGakkai.pdf

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