SYBR GREENの蛍光画像
長野県野菜花き試験場のご協力を頂き、VISTRA GREEN(%1)染色によるDNA画像をスキャンしました。
19x12cmのゲル3枚をA3プラテンガラスに並べて、一度にスキャンしました。
・スキャン条件:48bitカラー、300ppi ⇒RGBの内、16bitGreenチャンネルのデータを解析用に分離しました。
・スキャン時間:3分08秒
・励起光:λ=467nm 青色LEDアレー
■結果:
次の画像は、上が新開発の電気泳動ゲル専用蛍光・可視イメージスキャナ GELSCAN による画像、下がイルミネータ+デジタルカメラによる現行手法の画像です。
左側の□囲みは画素(pixel)等倍の部分画像です。分解能の違いが分かると思います。
■ デジタルカメラを用いる手法に対する、GELSCANによる手法の利点を挙げてみます。
(1)暗室が不要であること。PCの隣で作業ができます。
(2)ズーム、ピント合わせ作業が不要なこと。
蛍光光は微量であり、ピントがボケていると微細な濃淡を捕らえることができません。
(3)ゲル染料に照射される励起光の積算光量が必要最小限であること。
デジカメ撮影では、ピントあわせの作業中、ゲルに励起光を照射し続けます。GELSCANは、スキャン時のみ照射されます。
(4)スキャン直後にPCのディスプレイにて確認できる。メモリーカードなどによるデータ移動が不要。
(5)光源を直接見る必要が無く、目にやさしい。また、青色光のため万が一見つめても安全。
デジカメ撮影では、ピントあわせの作業中、励起光を見つめ続けることになります。
(6)A3サイズのプラテンガラスに複数枚のゲルを並べ、一度にスキャンすることができる。
次はタンパク質 Flamingo染色画像の予定です。レーザー+PMTイメージャーと比較します。
(つづく)
■備考:
(%1)アマシャムのVISTRA GREENという商標でしたが、励起光、蛍光のスペクトルは下記のとおりで、SYBR GREENとほぼ同等でした。
Vistra Green ( Excitation : 490nm, emission : 520nm)
application note ,"Fluorescent DNA Gel Stain Detection",63-0031-02/Rev-B/2002-3,Amersham Biosciences
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SYBR GREENのexictation , emission spectra
invitrogen spectra viewerより
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修正履歴:
[2008.3.31]
正:VISTRA GREEN
誤:VISTA GREEN
[2008.3.29]
正:SYBR Green
誤:CYBR Green
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