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2007年11月18日 (日)

CBBゲルのImageJによる解析 その2

■CBB染色 SDS-Page(一次元電気泳動ゲル)の検量線を作成してみました。
以下、URLをご覧下さい。

ImageJによるCBB SDS-Page ゲルの検量線の作成
http://www.imeasure.co.jp/report/ImageJ_CBB.html

ImageJを初めてお使いになる方に対し、確実に結果を出せるように1ステップ毎にスクリーンショットを撮った説明書です。ぜひお試しください。

また、2007.11.18時点では使いこなせなかった ImageJの対数計算処理も含めてありますので、以下の2)〜6)の流れは省略可能です。

(以上 2009.2.1 追記)

■2次元電気泳動画像を解析する

2次元電気泳動ゲルのスポットを定量してみます。

http://imeasure.cocolog-nifty.com/blog/2007/11/cbb_34e9.html

流れは次のとおりです。

1)2次元電気泳動ゲルのデジタル画像から透過率データを得る

2)ImageJで画像を開きTextFileとして画像データを保存

3)Excelにてテキストファイルを読み込む

4)開いたExcelのワークシートをsheet1として、sheet2にOD値換算の演算ワークシートを作成する

5)Excelからテキストファイル形式でOD値のsheet2を保存する

6)ImageJにて開く

7)3Dプロットする

8)ImageJにてタンパク質濃度積分値を算出する

9)タンパク質の量(%od)を定量する

■詳細

1)2次元電気泳動ゲルのデジタル画像から透過率データを得る

 ⇒ これは、GELSCANを使い、iMeasure Scanでガンマ1.0にして(Densitometor モード)16bit画像を得ます。

2)ImageJで画像を開きTextFileとして画像データを保存する

⇒ File / Save As / Text Image...

3)Excelにてテキストファイルを読み込む

⇒ データ/外部データの取りこみ/テキストファイルのインポート

4)開いたExcelのワークシートをsheet1として、sheet2にOD値換算の演算ワークシートを作成する

sheet2!A1 = -1 *LOG(sheet1!A1/(2^16-1))

5)Excelからテキストファイル形式でOD値のsheet2を保存する

6)ImageJにて開く

File/Import/TextImage..

7)3Dプロットする

※OD値データを再度開いた画像は見かけ上、スキャン画像を反転(白黒反転)しただけのように見えますが、3Dグラフ表示するとOD値となっています。また、Image/Typeでデータ構造を見ると32bitデータとなっています。32bitTIFF対応のPhotoshopで開くことも可能です。(%1)(2007.11.18修正)

8)ImageJにてタンパク質濃度積分値を算出する

ImageJにて Analyze/Set Measurements

・Integrated Densityにチェック入れる

ImageJにて特に画像を選択せずに Analyze/Measure

⇒これで画像全領域の濃度積分値が算出されます。

ImageJにて任意曲線ツールにて目的のスポットを囲む。Analyze/Measure

⇒これで注目スポットの濃度積分値が算出されます。

9)タンパク質の量(%od)を定量する

方法:OD値の総積算量に対して、それぞれのスポットのOD値積算量の割合を計算することで%odが算出できます

もっとも濃く大きなスポットは、

注目スポット1のタンパク質量(%odl) = (105.843/5129.520)*100 =2.06[%od]

同様に、

注目スポット2のタンパク質量(%od) = (44.527/5129.520)*100 =0.87[%od]

%odから%volへの変換は調査中です(%2)。ちなみにネット上にはゲノムのCBB画像と各スポットの%od、%volがさまざまなゲノムについて公開が始まっています。(%3)(2007.11.18修正)

以上

【注記】

(%1)32bitTIFF対応のPhotoshop(2007.11.18追記)

Adobe社のPhotoshopはダイナミックレンジの拡張を狙ってCS2(Version9相当)から32bitTIFF画像をひらけるようになりました。

ファイル/指定形式で開く/(ファイル名下の入力箇所)指定形式で開く:TIFF(*.TIF,*.TIFF)

ただし、Pixelの値を示す[情報]ダイアログでは8bit相当の表示しかありません。また、画像処理は、レベル補正は使用せず、露光量のみとなっています。

イメージ/色調補正/露光量

露光量とは、2の対数のスケールであり、+1EVは輝度を2倍にすること。-1EVは輝度を半分にすることに相当します。これらの行為は、ガンマ1.0の画像のレベル補正にて、+1EVは、ハイライトを半分の値にして明るくすることに相当します。

ダイアログには、ガンマもありますが、タンパク質量の相対量(%vol)を算出することが目的である場合、変更してはいけません。センサのリニアリティが崩れ、定量性が消失します。

(%2)OD値からタンパク質量を算出する---現在検証中。(2007.11.18追記)

(%3)カイコゲノムのCBB2次元電気泳動画像のデータベース (2007.11.18追記)

http://kaiko2ddb.dna.affrc.go.jp/cgi-bin/search_2DDB.cgi

この画像もエプソンのスキャナでCBBをスキャンして%volを算出しています。

つくばのK先生によると、

「イメージスキャナは定量性が低いので%volは2倍以内で一致していれば同じスポットと判定している。」

「高価なイメージャーでは、%vol値にて10%程度の精度で同じスポットであると判定している」

とのことでした。

はたして、GELSCANはどの程度の精度が出るのでしょうか。

実験は続きます。

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コメント

http://imeasure.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/cbb595nm_9716.html
の%1)によれば、、検量線は比例関係にあると仮定しても良いようです。

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(%1)
http://www.iam.u-tokyo.ac.jp/bnsikato/protocol/e3.html
蛋白濃度測定法 (舛広善和)
1 原理
Bradford色素結合法に基づく。原理は蛋白質がクマシーブリリアントブルーG250と結合すると、最大吸収波長が465nmから595nmに移動することを応用している。

参考までに検量線は
蛋白濃度   0 0.5 1.0 1.5 2.0 (mg/ml)で
O.D.595は     0 0.14 0.28 0.42 0.52 位になる。
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