DNAはハードディスク。ではCPUは?
こんな話を覚えていないだろうか。「遺伝子の解析が進み、どうやら遺伝子の量のレベルでは、ハエ(ショウジョウバエ)もヒトも極端な差は無い。われわれは生物学的には、ハエと大差ないのだ。(だから、、ヒトは驕り高ぶってはいけない。。)」
といった言説。その根拠は、林崎さんによって打ち砕かれたらしい。
DNA⇒RNA⇒たんぱく質という、私が高校生時代に生物で習った流れ(セントラルドグマと言うらしい)は、誰も疑問を差し挟まない常識だった。
たんぱく質の元になるアミノ酸は、例の2重の捻じれたはしご状のDNA螺旋構造(%1)に盛り込まれた4通りの分子(%2)の単語を3つ配列して決まる。2001年2月人間の遺伝子が全て解析された。しかし、大半の遺伝子情報は、たんぱく質を生成する設計図の記載の無い領域だった。もじどおりガラクタ。でもこれがどうもがらくたでは無いらしい。急速に解明が進んでいる。
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BTJジャーナル2007年1月号(http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/#btjj0701)
page-8
理化学研究所 林崎良英氏
「従来のセントラルドグマのすべての段階に、non-coding RNA (ncRNA)が働きかけていることがわかってきました。したがって、遺伝子=たんぱく質をコードするものという定義は通用しなくなりました。」
「従来のセントラルドグマでは、RNAはDNAの情報を伝える役割だったのですが、RNA新大陸の発見によって、RNAが主役になってきました。」
「コンピュータに例えると、RNAはCPUです。DNAはハードディスク、たんぱく質はプリンターやディスプレイなどの末端機器、といってよいかも知れません。RNAは進化速度も速く、生物の進化で重要な役割を担っていると考えられます。」
・林崎ディレクターが統括する国際FANTONコンソーシアムが、2005年9月にScience誌に論文発表。マウスの完全長cDNAを200万 以上解析したところ、従来は100個程度しか知られていなかったncRNA(non-codingRNA)が実は2万3000個以上も存在することを突き 止めた。ゲノムの70%に相当する広大な領域がいったんはRNAとして転写されていた。
・ncRNAは【DNA⇒(転写)⇒たんぱく質をコードするRNA⇒(転写)⇒たんぱく質】という【セントラルドグマ】の一連の流れすべてに、関わっていることが分かってきた。
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(%1)福岡 伸一氏の文庫本「生物と非生物の間」は、おもしろいですね。ワトソン、クリックがDNAの2重螺旋構造を着想した背景に、論文レビュー担当教授の論文を盗み見したことによる。とか、野口英世の発見したウィルスや細菌は当時の光学顕微鏡の分解能力では到底分解不可能であり、彼の発表は全てでたらめであった。などというびっくりする話が載っている。思わず財布をみてしまいました。^^)
(%2)アデニン (A) と チミン、 (T)グアニン (G) と シトシン (C)
(%3)プロテオーム研究(2007.07.30)
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