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2007年8月30日 (木)

スキャナの画像がキレイな理由 その1

学生時代、まだスキャナが身近に無かった頃、暗室にこもって白黒写真の現像、プリントを良くやりました。手を酢酸臭くして出来上がった写真を更に複数枚、台紙に貼り付けて組み写真にするのです。目的は、学会の発表用の”スライド”(懐かしい!)写真を作るためです。台紙に組み写真が出来上がると、タイトル文字を”ロットリング”(懐かしい)して、これを更に一眼レフカメラで接写するのです。大学の研究室というのは、学生の人件費はただですので、教授は「キレイな写真を作ってくれよ」と無理難題を言います。^^;)

組み写真の複写(接写)、これは案外難しい作業です。

まず、専用の接写台にカメラを固定する。接写台とは、撮影対象を載せるテーブルとカメラを固定し撮影対象からの高さを自由に変えられるポール、そしてテーブルの左右に2本付いた照明装置からなっています。

レンズは接写用のマクロレンズを使用する。組み写真をテーブルに置き、踏み台に立ってカメラを上から覗き込む。すると組み写真の表面に天井の蛍光灯の反射が写りこんで白く光ったりする。天井灯を消して、接写台の左右から照明灯を点ける。すると、照明灯がまたもや反射して写りこむので、カメラを高くしたり、照明角度をもっと斜めにしたりと苦労する。

良く見るとノリで貼り付けた組み写真がカールしていて湾曲している。この湾曲にまた照明灯の光が反射している。ガラス板を組み写真の上に重しとして乗せる。あ。しまった逆だ、アンチニュートンガラスなのだから、スリガラス側を写真の光沢面に向けなきゃ。。そんなこんなで数十分間。それでも照明ムラが激しくて、出来上がった写真をチェックする教授は苦い顔。そんな時は、、昼間、曇天の時の研究棟の連絡通路(左右の窓から光が入る)に接写台を一式持って行き、天然の照明だけで撮影する。

そんな苦労を研究生の時に良くやっていました。もともと私は天文少年でして、高校生の頃に自分で白黒写真の現像やプリントをやってました(%1)。なので、研究室の中では、頼りにされる存在でしたが、それでも接写は難しかった。

ところがスキャナである。

イメージスキャナに写真をセットしてスキャンするとなんともキレイにコピーできる。驚きである。何故、高級一眼レフカメラでも苦労する組み写真の接写が、イメージスキャナでは、いとも簡単にコピーできるのか。いったい、スキャナの中はどんな仕組みになっているのか。

そんな疑問に答えることができればいいなと思いつつ進めたいと思います。

次回、まずは、先の話題、「テカってしまう写真をどのようにしてキレイに撮るのか」です。

http://imeasure.cocolog-nifty.com/blog/2007/09/post_426c.html
スキャナの画像がキレイな理由 その2

(%1) 天文雑誌に投稿し、撮影した天体写真が掲載されたことがあります。当時は、印画紙の光沢を出すために、フェロタイプといって、鏡のような金属板に現像定着 したばかりの印画紙をローラで水切りしながら気泡が入らないように注意して押し付け、巨大な電気アイロンのような機械で乾燥させます。印画紙の仕上がりが 悪いとなかなか雑誌に採用されなかったのです。

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