DTPの夜明け その6
http://www.imeasure.co.jp/pdf/DTPnoYoake.pdf
ガンマの話(3)
さて、今回は「見た目の再現性」を決める要因の1つ、
(1)肉眼の特性 目は明暗をどのように感じているのか?
の話です。
CIE(Commission Internationale de lEclairage:国際照明委員会)という学会が1931年に被験者を通じて結論した肉眼の特性は次の式で表されます。
L=116(Y)^(1/3)-16
色を絶対的な数字で表現する際に、L*a*b*という座標系がありますが、L*はこの1931の実験を根拠にしています。
つまり、
目に入る光の量(Y:光子(フォトン)の数に比例した、物理的に定義できる測定可能な数字です。)に対して、目が明暗を等間隔に感じるピッチ(L:明度)は、リニアではなく、(1/3)乗になっている。という事実が分かった。
これをPhotoshopのトーンカーブと同様な、0-255の数字で表現するために式を書き換えると、次の式になります。
これをグラフで表現すると次のようになります。
青い線を見てください。
「例の」ガンマ1.8の逆ガンマもいっしょに描きました。(緑色)
肉眼の特性は、このCIEの実験から、ガンマ3.0の特性を持ったセンサであると言い換えることができます。ですので、Appleが、「見た目の再現性」というとき、肉眼の特性だけを基準に決めたわけではないようです。
次回は、
(2)出力装置の特性、具体的には、印刷物の濃度再現特性はどうなっているのか?
というテーマで、ドットゲインの話に触れたいと思います。
(つづく)
« フィルム濃度計 | トップページ | DTPの夜明け その7 »
「DTP」カテゴリの記事
- 「印刷界」2010年8月号(681号),pp52-54(2010.08.17)
- 「sRGBのガンマは2.2」ってのは本当?(2009.11.24)
- カラースキャナ創世紀の素描(2010.09.08)
- 自炊技術Wiki > スキャニング(2009.10.08)
- Mac OS X v10.6 Snow Leopardよりデフォルトガンマが2.2になった(2009.10.08)
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/218879/16011087
この記事へのトラックバック一覧です: DTPの夜明け その6:
コメント